秋の草原の赤黒い花、ワレモコウは源氏物語に登場する古くから知られた野草である。源氏物語には「われもかう」とかなで登場するが、その漢字表記にはいくつかある。 『吾木香』は、その根が生薬や薫香となる中国・インド原産の唐木香に対し「わが国の木香」という意味にとれる。実際のワレモコウは香りの強いものではないが、源氏物語では第42帖「匂宮(におうみや)」で、目立たないが香りのある植物として登場することか…
延暦23年(804年)、共に遣唐使となった最澄と空海は、帰国後それぞれ、比叡山にて天台宗を、高野山にて真言宗を興す。比叡山に由来する植物はエイザンスミレ(叡山菫)1種のみだが、高野山に由来する「コウヤ~」という植物は11種を数える。何かと伝説の多い弘法大師空海であるが、この数の多さは、お大師様の徳によるものではない。高野を名乗る植物のほとんどが、植物名に高野を冠するものであり、高野山に産することを意味…
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